この記事では、就活の軸について詳しく解説します!
就活の軸とは、就活の際に進むべき方向性や方針のことです。
通常、企業選びの際に重要な基準として使われることが多く、後悔のない会社選びのためにも考慮すべき要素ですね。面接でもこの軸に関する質問が出ることがありますので、それに対する準備をする人も多いでしょう。
ただし、自己PRや志望動機ほど一般的な質問ではないため、どのように準備すれば良いか迷う人も多いです。
そこで、この記事では、就活の軸を設定する目的を整理し、構成要素となり得る軸と、面接での回答例文を紹介します。
具体的な軸の決め方やアイデアの考え方に役立つ方法も共有するので、就活の軸が曖昧で悩んでいる人は、ぜひ最後まで読んでください。
就活の軸を設定する目的
「就活の軸」とは、就職活動で自分が目指すべき方向性や基準を示す言葉です。
例えば、「私は海外で働きたいし、社会貢献できるNPOに就職したい」というような明確な目標を持つことです。
これによって、自分に合った企業を見つけやすくなりますし、自分の選択に対して後悔しないようにすることができます。
目的意識があることで、より適切な軸を設定することができます。そこで、まずは就活の軸の重要性を簡単におさらいしておきましょう。
【就活の軸を設定する目的】
- 自分にぴったりのキャリア選択をするため: 自分の能力や価値観に合致したキャリアを選ぶために、就活の軸を設定します。これによって、自分の希望や条件に沿った企業を選ぶことができ、将来的な満足度を高めることができます。
- 面接などで説得力のある回答をするため: 就活の軸を持つことで、面接などで自分の希望や選択理由についてしっかりと伝えることができます。企業からの質問に対しても説得力のある回答をすることができ、自分の魅力にもつなげることができます。
- 「見落とし」を防ぐため: 就活中に、自分の応募漏れに気づくことを防ぐためにも、就活の軸を持つことが重要です。自分の志望する企業や条件に絞って応募することで、気付かなかった応募機会を逃さないようにします。
自分にぴったりのキャリア選択をするため
就活の軸を設定するには、自分自身の性格や価値観を考え、どのような条件の企業で働けば幸福になれるかを深く考慮する必要があります。
つまり、自分に合ったキャリア選択をするための手がかりになるのです。
感覚的にエントリー候補を探すだけでは、自分に合わない会社に入ってしまい、ミスマッチの状況に陥りやすくなります。
そのため、就活の軸として、自分の強みや興味を活かせる仕事内容や環境を明確にすることが大切です。
例えば、コミュニケーションが苦手な性格なら、多くの人と関わる仕事よりも、自分自身で仕事を完結できる仕事に向いているでしょう。
しかし、就活の軸として「自分自身で仕事を完結できること」だけでは不十分です。
それだけでは、自分が本当にやりたいことや得意なことが見えてきません。
そこで、もう一つの軸として「自分が貢献したい社会課題や価値観」を設定することがおすすめです。
これは、自分がどんな世界を目指しているか、どんな問題に関心があるか、どんな価値観を大切にするかということです。
この軸を設定することで、自分が働く意義や目的を見つけやすくなります。
また、自分と同じ志を持つ人や組織と出会うチャンスも増えます。
結論として、就活の軸を設定することは、自分に合った会社に入るためだけでなく、自分のキャリアビジョンを明確にするためにも重要なことです。
面接などで説得力のある回答をするため
「就活の軸」とは、自分がどのような会社で働きたいか、どのような仕事にやりがいを感じるか、どのようなキャリアを目指すかといった、就職活動の基準となる考え方です。
この「就活の軸」は、面接やエントリーシートなどで質問されることがあります。その際には、自分の考えを具体的に伝えることが求められます。
なぜなら、企業は、自分たちがどのような観点で人材を採用するかを尋ね、その要件と自社との相性を判断することで、応募者の志望度の高さを見極めようとするからです。
自社の要件に合わないのに志望している場合、真剣さに欠けると感じられるし、ミスマッチの結果となります。双方にとってデメリットとなるでしょう。
また、企業選びの軸が曖昧な場合、自己の熱意に欠けていると受け取られる可能性が高いです。
したがって、選考対策としても、就活の軸の設定は必須です。現時点で明確にできていない人は、次の章でも紹介する内容を参考にして考えておくと良いでしょう。
自分に合った会社を選ぶためにも、面接で的確に回答するためにも、「就活の軸」を明確にしておくことが重要です。軸が曖昧だと、最初の就職先で後悔する可能性が高くなるため、じっくりと時間をかけて明確にすることは自分自身のためにも価値があると言えます。
「見落とし」を防ぐため
軸の設定は、就活において「見逃し」を防ぐ役割も果たします。
「抜け漏れ」とは、就活の過程で自分が気づかずに見逃してしまう可能性のある情報や要素のことを指します。例えば、希望する業界や職種、勤務地、福利厚生、働き方など、自分にとって重要な条件や要件を見落としてしまうことがあります。
就活を進めると、様々な企業の情報が増えてきます。その中で、「残業が多そうな会社は合わないかもしれない」と感じることもあるでしょう。
しかし、この気づきは就活の途中であれば、それ以降の企業選びに活かすことができます。
軸を明確にしておくことで、選考プロセスで自分に合わない企業や求人を早めに見極めることができます。その結果、時間と労力を無駄にせず、自分にとって最適な選択を行うことができます。
また、軸を持つことで企業との相性を見極める際にも役立ちます。企業側も自社と応募者とのミスマッチを避けたいと考えており、面接やエントリーシートで応募者の軸を尋ねることがあります。自分の軸に基づいた回答をすることで、自身の志望度や適性を伝えることができます。
就活の軸を明確にしておくことは、自分の選択肢を広げ、ミスマッチを防ぐために非常に重要です。しっかりと自己分析やキャリアプランニングを行い、自身にとっての重要な要素を把握し、軸を設定することが就活の成功につながります。
30個の就活の軸一覧
ここでは就活の軸となる30個の軸を紹介します。
自身の優先順位や重要視するポイントに基づいて、これらの項目から選択することで、自分に最適な企業を見つける手助けになるでしょう。
項目 | 詳細 |
---|---|
1. 希望職種 | 就きたい職種や専門分野 |
2. 希望業界 | 就きたい業界や産業 |
3. 勤務地 | 希望する勤務地や地域 |
4. 企業の規模 | 大手企業・中小企業など |
5. 企業の文化 | 自分に合った企業文化や風土 |
6. キャリアの成長性 | スキルやキャリアの発展が見込めるか |
7. ワークライフバランス | 仕事とプライベートの調和 |
8. 給与・報酬 | 希望する給与水準や報酬体系 |
9. 福利厚生 | 健康保険、厚生年金、各種手当など |
10. カルチャーフィット | 自分の価値観や性格に合った企業文化 |
11. チームワーク | チームでの仕事や協力が求められるか |
12. 自律性 | 自分の裁量で仕事を進められるか |
13. 企業の社会的責任 | 環境への取り組みや社会貢献活動 |
14. モチベーション | 自身のやる気や情熱が湧くか |
15. 革新性・挑戦性 | 新しいアイデアやチャレンジができるか |
16. プロジェクトの規模 | 参加するプロジェクトの規模や重要度 |
17. 人材育成・教育制度 | 自己成長や学びの機会があるか |
18. グローバル展開 | 国内外でのビジネス展開があるか |
19. イノベーション | 技術やサービスの革新を重視するか |
20. ダイバーシティ・インクルージョン | 多様性を尊重する企業か |
21. 働く仲間 | 共に働く人々との相性や関係性 |
22. 企業の安定性 | 安定した経営基盤 |
23. オフィス環境 | 快適なオフィス環境や設備が整っているか |
24. 仕事の裁量度 | 自身の仕事における裁量や自由度の程度 |
25. 企業の評判・ブランド価値 | 企業の評判や知名度、ブランド価値 |
26. モビリティ・キャリアパス | 昇進や異動の機会やキャリアパスの明確さ |
27. ワークスタイル | フレックスタイムやリモートワークの制度があるか |
28. マネージャー・上司の指導力 | 上司やマネージャーのサポートや指導力 |
29. プロジェクトの多様性 | 様々なプロジェクトに携わることができるか |
30. 長期的な安定性 | 企業の将来的な成長性や安定性 |
就活の軸のうち重要とされるものとされないものを5つずつ挙げます。ただし、人それぞれの価値観や状況によって異なるため、一般的な傾向に基づいた提案となります。
重要とされるもの:
- 希望職種: 自分が興味や適性を持っている職種は重要です。自分の得意分野で活躍できることで、仕事へのモチベーションや成果の向上に繋がります。
- 希望業界: 希望する業界で働くことは、自身の興味や関心に合致することを意味し、自己成長ややりがいを感じることができます。
- 勤務地: 自分が住みたい地域や生活環境に合った勤務地を選ぶことで、ワークライフバランスやプライベートの充実度に影響します。
- カルチャーフィット: 自分の価値観や性格に合った企業文化や風土を持つ会社で働くことで、職場環境や仕事への満足度が高まります。
- 自己成長の機会: 自身のスキルやキャリアの成長を促す企業や教育制度があることは、将来のキャリアの発展につながる重要な要素です。
重要とされないもの:
- ブランド価値: 企業の知名度や評判は、自身のキャリアや成長に直接的な影響を与えるわけではないため、重要視されないこともあります。
- プロジェクトの規模: プロジェクトの規模は仕事のやりがいや成果に影響する要素ではありますが、他の要素と比べると相対的に重要度は低いとされることがあります。
- グローバル展開: 国内外でのビジネス展開がある企業は魅力的ですが、これが重要視されない場合は、自身のキャリアや目標に直接的な関係がないためです。
- 企業の安定性: 企業の将来的な安定性も重要な要素ですが、若干のリスクを受け入れる場合や、成長や挑戦を優先する場合には、重要視されないこともあります。
- モビリティ・キャリアパス: 昇進や異動の機会やキャリアパスの明確さはキャリアの成長に関わる重要な要素ですが、初めから具体的な計画を持っていない場合や、他の要素がより重視される場合には、重要視されないこともあります。
上記の項目を自分なりに整理しておくと就活をする際に抜け漏れを防ぐことができるでしょう。
就活の軸を設定するための3つの方法
具体的な就活の軸を設定するための3つのステップを共有します。
先ほどの目的や例文を見て、就活の軸についての理解が深まったことと思いますが、自分自身の軸を考えようとすると、進め方に迷うこともあるかもしれません。
そこで、この章では、軸を決めるための3つの方法を整理しました。
就活の軸を確実に設定したい方は、ぜひ私の方法を参考にしてみてください!
【就活の軸を設定する方法】
- 自己分析によって自身の性格や価値観を明確にする
自分自身の性格や価値観について、じっくりと考えて洗い出します。 - 項目の中から優先順位を決める
項目から、自分にとって最も重要なものや優先すべきものを選びます。 - 就活の軸を発想・深化する
就活エージェントを使った他己分析をします。
1.自己分析によって自身の性格や価値観を明確にする
就活の方向性を考える際には、まず徹底的な自己分析に取り組むことが重要です。
自分自身の性格や大切にしている価値観などを整理しないと、どんな企業を希望するか考えるのは難しいです。
例えば、私は個人競技ばかり経験してきたため、「上下関係が激しい体育会系の企業は自分には合わない」という軸を持ちました。
過去の人生を振り返ると、自分にとって相性が良い・悪い企業を経験ベースで考える材料が増えるんですね。
自己分析は就活の方向性を考えるだけでなく、選考対策にも必要です。
過去の経験を整理できないと、自己PRなどで説得力のある回答ができず、結果的に内定を獲得しにくくなります。
\24卒,25卒の就活生向け/
感覚的にやるだけでは浅い自己理解に終わってしまうことがあるので、やり方に迷っている人はぜひ参考にしてください。
2.項目の中から優先順位を決める
自己理解を深めた後は、前述した30項目について考えを整理します。
一度に30項目を考えることも可能ですが、自己分析を深めた後の方が非常に精度が高まるので、最初のステップで大切にしてください。
項目の軸を整理したら、その中で優先度を決めてください。企業との面接で話す内容を想定したものと、本音で優先順位をつけたものが複数あると便利です。
前者は面接の回答時にそのまま使えますし、後者は自分の希望に合う会社を選ぶ際に非常に役立ちます。
3つのステップを見るとわかるように、最初に行う自己分析が最も重要な鍵となります。
自己分析を省略すると、軸を決めてもあまり意味がなくなってしまうので、自己理解を深めることには徹底的に取り組みましょう。
地道な作業かもしれませんが、最終的には自分自身をサポートする活動になりますので、ぜひ取り組んでください!
3.就活の軸を発想・深化する
就活の軸を設定する上で、他己分析は特に重要です。
「他己分析」とは、自己理解を深めるために他人の視点を取り入れることです。自分だけで自己分析するだけでなく、第三者の客観的な意見を聞くことで、より広い視点から自己理解を深めることができます。
しかし、他己分析のメリットは分かっていても、適切な相手が見つからずに諦めてしまう人も多いかもしれません。そこでおすすめしたいのが、就活エージェントです。
就活エージェントとは、人材会社が提供する無料のサービスで、以下のような支援をしてくれます。
- 就活相談
- 自分に合った求人の紹介
- 選考支援(エントリーシートの添削や面接対策)
- 企業との面接のセッティング
- 面接後のフィードバック共有
就活エージェントは、内定を獲得するまで幅広くサポートしてくれるので、自己理解を深めたい旨を伝えると他己分析も行ってくれます。相手は就活支援のプロであり、豊富な知識を持っているため、的確な意見やアドバイスを提供してくれます。
自己理解を深めた上で就活の方向性に迷った場合でも、就活エージェントに相談すれば専門家の視点から意見をもらうことができます。
ただし、就活エージェントの価値は担当者によって異なるため、質の高い担当者を見つける必要があります。その前に、質の高いサービスを提供しているエージェントに登録することも重要です。
上記の「ミーツカンパニー就活サポート」と「キャリアチケット」は口コミ評価が高く、全国の就活生にオンラインで利用できるためおすすめです。担当者を選ぶ際には、最初に評判の良い3つ以上のエージェントに登録し、最終的に2つに絞るのがベストだと考えています。
ただし、就活エージェントは定員がありますので、チャンスを逃さないためにも早めに登録することが重要です。
まとめ
この記事では、就活において重要な要素である「就活の軸」に焦点を当てています。就活の軸とは、自分が重視する価値観や目標、志向性などを明確にし、それを基準に企業選びや面接での回答を行うための指針です。
まず、記事ではなぜ就活の軸を設定する必要があるのかについて説明しています。就活の軸を明確にすることで、自分に合った会社を見つけるための基準を持つことができます。また、面接などで質問された際にも、自信を持って納得感のある回答をすることができます。
次に、どのように就活の軸を設定するかについて解説しています。まずは自己分析を徹底的に行うことが重要です。自己分析では、自分の性格や価値観、得意なスキルや興味関心などを客観的に見つめ直すことが求められます。また、他己分析やインターンシップなどの経験を通じて、視野を広げることもおすすめです。
さらに、記事では就活の軸に関する注意点も紹介しています。例えば、ネガティブな要素を軸に含めることは避けるべきです。軸は自分の強みやポジティブな要素にフォーカスすることが重要です。
このように、記事は就活の軸の重要性や設定方法、注意点などを詳しく解説しています。自分自身を見つめ直し、自分に合った会社を見つけるための参考として、ぜひ記事をじっくりとお読みいただければと思います。