ドラッグストア薬剤師の仕事はきつい?給料/年収など転職前に考えること

ドラッグストアは町中であらゆるところで見かけると思います。

医薬品に限らず化粧品、日用品、食料品などさまざまなものを販売し,私たちの生活に密接した関係となっています。コンビニよりも格安で非常に便利なお店という印象です。

ドラッグストアでは薬剤師さんがいないと販売できない商品や薬があるため,薬剤師さんがいます。「OTC医薬品」のうち,第一種OTC医薬品は薬剤師がいる場合のみ販売することができます。
そのため、ドラッグストアで第一種OTC医薬品を販売するためには、薬剤師を常駐させておくことが必須なのです(第一種医薬品以外のOTC医薬品は、薬剤師なしで販売できます)。

また,一部ドラッグストアでは調剤室も併設されており,調剤業務を担う薬剤師さんもいらっしゃいます。

大学6年間勉強し国家試験を受け薬剤師になった方の進路は多岐にわたりますが,その進路の一つとしてドラッグストアがあります。私の友人にもドラッグストアに就職したり,転職した人がいるので,「ドラッグストアの仕事はきついのか」調査を実施しました。

さらに,ドラッグストアに転職した人,ドラッグストアから転職した友人から,転職前に考えるべきことについてヒアリングを行いました。

本記事が参考になれば幸いです。

はじめに登録する3つの転職サイト

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いづれのサイトも登録・利用は無料です。企業が提示する条件がサイトによって異なるため,比較のためにいくつかのサイトに登録するのが大切。

ドラッグストア薬剤師の仕事はきつい…

年収が高い薬剤師さんですが,年収が高いなりに仕事がきつい部分もあります。年収の高さだけにとらわれて,ドラッグストアに就職・転職してしまった方で,数年でドラッグストアをやめられてしまった方もいます。

ドラッグストア薬剤師の仕事がきつい例として実際,以下のようなこと多いようです。

①残業やサービス残業が多くて,拘束時間が長い
②職場の人間関係が合わない
③給料が上がらなくて,同業他社の知り合いと比べて給与が低い
④各種福利厚生や手当が不十分
⑤薬剤師の専門知識を活かす機会が少ない
⑥研修・教育体制が不十分

それぞれ具体的に見ていきましょう。

残業やサービス残業が多くて,拘束時間が長い

引用:https://www.35189.jp/info/difference/

ドラッグストアで販売している製品の中には,管理者要件を満たす薬剤師 or 登録販売者がいなければ,販売することができない製品があります。そのため,薬剤師や登録販売者者が少ない店舗では,資格を持っている人が,長時間勤務になってしまう傾向にあります。

また,第1類一般用医薬品の場合,お客さんへの説明などの対応が必要になって他の業務が滞り,その結果残業が発生することもあります。

もし明らかに資格を持っている人が少ない場合は,ドラッグストアの人事部に連絡をしてみるのも一つの手段だと思います。また,最近では少なくなりましたが,残業代を払わない企業もあるようです。その場合,労働基準監督署へ残業未払いの申告をする手もあります。

実際,給与面の良さからドラッグストアで働き始めたものの,残業や休日出勤,休みが少ないなどによってプライベートの時間が無くなってしまうことがある友人もいました。「給与がよい」というのはモチベーションにはなりますが、精神的に残業がきついとなるとつぶれてしまいます。

薬剤師さんや登録販売者さんは,今のドラッグストア以外にも引く手あまた,だと思います。解決しない場合は,転職するのも一つの手でしょう!エージェントを利用すれば給料交渉して年収アップも目指せると思います。

職場の人間関係が合わない

ドラッグストア企業は大規模な企業が多いですが,実際働くドラッグストアは小規模で閉鎖的なところが少なくありません。人間関係が固定化しやすく問題が生じやすい環境と言えます。「上司と相性が合わない」「職場の雰囲気が険悪」といったケースがありますよね。

このような場合,解決できる場合もありますが,我慢していると逆に自分が精神的に病んでしまうという場合もあります。人間関係の問題はデリケートな問題なので,現場で解決しない場合無理をせずに店舗を変えるなど早めに対策を取りましょう。

また,人が足りていない店舗では逆に一人薬剤師をやらされたりします。ふつうは調剤などは,ダブルチェックをしますが,そういったこともできません。特に,花粉症のシーズンでは,一般のお客さんのOTC医薬品販売なども対応しなければいけないので,ドラッグスアの仕事を一人でこなすのは大変ですよね。

「ドラッグストアは病院に比べて楽そう」というのは,場所によると頭の片隅に入れておきましょう。

給料が上がらなくて,同業他社の知り合いと比べて給与が低い

新卒で就職して,大学の同期や同業他社の知り合いと情報交換をした際に,「ドラッグストアの給料が周りと比べて低かった」と思ったり,初任給は高いですが「年収が全然上がらなくて周りに追い抜かされた」と気づくことがあるかもしれません。年収の伸びしろが小さいのもドラッグストアの特徴です。

また,メーカーの場合,賞与が安定していることがありますが,ドラッグストアの場合,場所によっては賞与の変動が激しいのも特徴です。

給料が上がらない場合,ドラッグストアの人事評価制度を達成できているのか確認した方が良いでしょう。つまり,成果を出せていなければ給料が上がらないというのも仕方ないかもしれません。
一方で,個人目標を達成できているけど,店舗目標などノルマが厳しい部分もあるかもしれません。その場合は,定期的に店長などと面談してみるのも手の一つかもしれません。

給料は生活を維持する上で大切で,仕事のモチベーションの一つです。給料が上がらないというのは,人によっては,モチベーション低下・意欲を失うことにつながるでしょう。

実は,「残業が多いわりに給料が低く見合わない」「どれだけドラッグストアに貢献してきても給料が一向に上がらない」という悩みは,薬剤師業界でよく聞かれます。その点が転職理由の要因に上がることも多々あります。

各種福利厚生や手当が不十分

福利厚生についてはドラッグストアごとによって,十分であったり,足りないことがあったり色々あると思います。おそらく最低限の福利厚生はあるのではないでしょうか。

大企業だと家賃補助や手当が多く出ていますが,ドラッグストアだとその点が不十分なことがあります。しかし,最近では子育てがしやすい環境整備であったりなど整備自体はいくつかあるようです。

福利厚生や手当については、雇用契約書に記載されているので契約内容を確認してみましょう。また,福利厚生や手当内容は求人情報にも記載されています。

もし,福利厚生や手当が制度上存在しているだけで実用されていないならば,転職するのも一つの手かもしれません。

薬剤師の専門知識を活かす機会が少ない

ドラッグストアで扱う品目は,企業によって異なります。最近のドラッグストアでは,一般用医薬品だけでなく,食材や日用品などの医薬品以外の販売に力を入れているところも多いですよね。

実際取り扱う商品のうちどれほど日用品があるかはわかりませんが,場所によっては取り扱う商品や業務のほとんどが日用品ってこともあります。そのような企業に就職してしまうと,「薬剤師の資格を生かしたい」といった希望とは反対の業務ばかり行うことになり,専門知識を生かす機会も少なくなりますよね。逆に,医薬品販売を大切にする企業に就職すれば,薬剤師としての知識や経験を生かして仕事ができるでしょう。

入社前に思い描いていた仕事(今まで薬学部で学んだ知識を生かせる仕事)としてドラッグストアに就職されたけど,入社前に思い描いていたイメージとはかけ離れた仕事でギャップを感じる方がいると思います。これは,仕事に対して志を持っている人ほど感じることだと思います。

今の勤務先で「薬剤師の知識を活かし切れていない,活かす機会がない」と感じる場合は、転職をおすすめします。転職先を選ぶ際には、一般用医薬品の取り扱いを確認するのを忘れないようにしましょう。

研修・教育体制が不十分

新卒で入社する場合は誰でも未経験なはずです。未経験で薬剤師として働き始めたのに,上司からの研修・教育体制が全くないということも場所によってはあるようです。

独学で調剤を学んでいる方もいるようで驚きですが,教育者が十分でないとミスを指摘してもらえないし,フォローもないので,成長する機会が少なくなってしまう想像がつくのではないでしょうか。

ドラッグストア薬剤師をやめる前に考えること

以下では,「今の職場を辞めた方がいいケース」と「辞めない方がいいケース」を解説します。

▶今の職場を辞めた方がいいケース
休日出勤があり,残業が多く給料に反映されていない
人間関係に不満がある

休日出勤や残業などの拘束時間の長さはプライベートに大きく影響を与えるし,人間関係の不満はストレスにつながり,この2つが合わさると心身ともに悪影響を及ぼすため,早めに転職活動を始めるのをお勧めします。

ストレスを感じながら仕事をするのも大変だと思いますので,転職を考えてみましょう。

▶今の職場を辞めない方がいいケース
転職理由が漠然としていて目的が明確ではない
深刻な悩みがない
福利厚生や手当が不満

仕事をする上で多少なりとも不満を持つのは当然です。上記のような,心身に悪影響を及ぼす理由以外の場合は,早急に転職活動を始める必要はないと思います。「福利厚生や手当が不満」や「キャリアが見えない」という想いを持っている方は,転職自体はすぐに始める必要はありません。

私も転職を経験したことがありますが,良い転職条件はなかなかなくて,同じ企業に転職するにしてもタイミングによって年収なども変わってきます。そのため,上記の場合は,転職サービスには登録しておいて,転職したいときにできるように着実に準備をしましょう。

今の職場を辞めたい場合にまず考えるべきこと

色々考えたけど,「今の職場を辞めて転職したい」と思ったとき、ぜひ考えておきたいことまとめます。

①転職する上で譲れない優先順位をはっきりさせること

転職の際に何を「軸」に転職するのかを明確化させることが重要。転職の際に一般的に重視される点は,「勤務地」「収入」「勤務時間」「職場環境」などあり,これらは人によって大切にしたいことは変わります。今何が不満で転職によってどのような点を改善したいのかを明確にして,仕事を探すようにしましょう。

②将来どのようなキャリアを目指したいのか(将来像)を考えること

「将来は薬剤師の資格を生かしてバリバリ働きたい」「今よりも給料を上げたい」など目指す姿があるはずです。今の不満点を改善するための転職も大切ですが,将来ありたい姿に少しでも近づくという視点からの転職も大切です。

そのため,次の職場でありたい姿を想像して何が実現できそうか明確に考えておくことも大切。ドラッグストアは企業ごとに,大切にしていること(ビジョン)が異なります。職場環境や給料,福利厚生の面だけでなく,キャリアプランも併せて考えて転職活動を行いましょう。

以上の点を意識すれば失敗のない転職目指すことができるでしょう。

ただし,どのドラッグストアもネガティブな情報は明らかにしないので,求人情報のみから判断して転職先を決めるの危険です。

そこで便利なのが、転職エージェントの利用です。転職エージェントであれば、担当者を通じて疑問点や不安点を解決することも可能なので、失敗のない転職を目指すことができるでしょう。

ここで,転職サイトにも得意・不得意があるので,一般的な「軸」別に転職サイトを紹介します

ファルマスタッフ
◎薬剤師さんの転職成功率はなんと90%超の実績。求人件数業界No.1。
◎ファルマスタッフでは1つ1つの職場にキャリアコンサルタントが必ず直接訪問し、 職場の状況を具体的にヒアリングしています。
職場の雰囲気を重視する方向け

ジョブデポ薬剤師
◎8万件以上の求人件数。40万円の転職お祝い金が進呈。
専任のコンサルタントがあなたの希望条件をヒアリングして それに合致したお仕事をスピーディーにご紹介。
譲れない優先順位がはっきりしている方向け

薬キャリ
◎薬剤師登録者数がNo.1。年間20,000人以上の薬剤師が薬キャリを利用して転職活動。
正社員・派遣・パート、全雇用形態の全国多数の非公開・好条件求人を保有
正社員以外にも好条件なら派遣・パートを考えている方向け(特に,ママ薬剤師)

転職サイトは様々あるので,実際に登録してみて求人の条件を比較してみるのが大切です。

きついけど年収が高いドラッグストア薬剤師

ここからは,年収に関して少し参考になるかと思い,ドラッグストアの年収をまとめました

ドラッグストアの求人サイトや転職サイトを見ても、はっきりと書かれていることは少なく、本当の給与や年収は採用担当者や転職エージェントに確認しなければ確認できません。しかし、転職サイトや就職サイトに登録する前から、ある程度の給与や年収を調べることができます。

その方法が以下の2点です。

①日本経済新聞や四季報で企業発の情報を調べる方法
②ネットの口コミを参考にする方法

どちらもメリット・デメリットがあります。
①…企業発のデータであるため信頼性は高い。一方で、薬剤師・それ以外のスタッフの平均年収となるため、現場の個々人の実体はつかみにくいことです。
②…薬剤師・店長など職種別に口コミを収集できる。一方で、あくまで口コミなので現状との乖離の程度は分からないことです。

そのため、本記事では、2つの方法を用いて、ドラッグストア薬剤師のリアルな年収を調査しました。

「日本経済新聞」で調べたドラッグストアの年収

会社名平均年収平均年齢
ウエルシアHD7,577,00057.6
ツルハHD6,014,88344
サンドラッグ5,262,58133.2
マツモトキヨシHD7,432,07945.6
コスモス薬品4,191,33629.1
スギHD6,412,18044.1
クリエイト10,807,06550
カワチ薬品5,342,13334.1
出典:日本経済新聞

先ほども書きましたが、あくまでもこれは従業員全体の平均年収となります。そのため、この年収には役員の方から現場の薬剤師の方の年収が含まれています。それでも参考にしてほしいことがあります。それは、平均年齢に対する平均年収です。

ウエルシアHDやクリエイトは平均年収が高いからこそ、平均年収が高くなっています。言い換えれば、マツモトキヨシHDはウエルシアHDに比べて、平均年齢が10低くても平均年収は10万ほどしか変わらないため、年収が上がりやすいと考えられます。

「口コミからまとめた」ドラッグストア薬剤師のリアルな年収

1. ウエルシア薬局の薬剤師の年収

  • 600万円(新卒、3年未満、初任給35万円)
  • 700万円(新卒、5年未満、基本給48万円)

2. ツルハ薬局の薬剤師の年収

  • 500万円(新卒、5年未満)
    ➝家賃補助は手厚いようです。

3. サンドラッグの薬剤師の年収

  • 480万円(新卒)
    ➝転勤する場合、家賃補助は手厚いようです。

4. マツモトキヨシの薬剤師の年収

  • 530万円(新卒、3年未満)
  • 700万円(新卒、15年)
    ➝残業については、1分単位で支給され、また借り上げ社宅(独身)もあるようです。

5. コスモス薬品の薬剤師の年収

薬剤師さんの口コミを見つけることが出来ませんでした。

6. スギ薬局の薬剤師の年収

  • 600万円(新卒、5年未満)
  • 600万円(新卒、1年目)
    ➝地域などで変わってくるそうです。

7. クリエイトの薬剤師の年収

  • 620万円(中途、3年未満)
  • 500万円(新卒、3年未満)
    ➝転職して、うまく年収を上げている例ですね。

8. カワチ薬品の薬剤師の年収

  • 550万円(新卒、5年未満)
  • 700万円(中途、5年未満)
    ➝転職してうまく年収が上がった例ですね。

口コミを参考にすると、以上のような年収となります。あくまで口コミですので、参考程度にしてください!

まとめ

これから就活する学生のみなさんや、転職を考えている方の参考になれば幸いです。

ドラッグストア薬剤師の年収は、初任給はかなり高めに設定されていますが、店舗をうまく回すためのノルマンディーを課されたりするなど大変な部分もあります。

また、各社薬剤師さんの査定が行われていますが、薬剤師ではない店長が関わっており、適切な評価が行われているか疑問が残る方も多いと思われます。人件費削減も課題になっており、一つのドラッグストアで年収を上げていくことが難しくなっています。

そのため、就活生の方は「年収だけでなくどこならばスキルを磨けるのか」を考え、転職を考えてる方は転職サイトのエージェントを通して給与の交渉をうまくして頂ければと思います!

はじめに登録する3つの転職サイト

ファルマスタッフ・・・薬剤師さんの転職成功率はなんと90%超の実績。求人件数業界No.1
ジョブデポ薬剤師・・・8万件以上の求人件数。40万円の転職お祝い金が進呈。
薬キャリ・・・薬剤師登録者数がNo.1。年間20,000人以上の薬剤師が薬キャリを利用して転職活動。

いづれのサイトも登録・利用は無料です。企業が提示する条件がサイトによって異なるため,比較のためにいくつかのサイトに登録するのが大切。

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