【2023年】化学メーカーの売上・年収ランキングと化学業界の今後の動向

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化学産業は、出荷額は約40兆円と製造業において第2位を占めており、国内の主要な産業の一つとなっています。

また、化学メーカーはホワイト企業が多いとも言われており、労働環境にも恵まれています。

本記事では、化学メーカーの売上高・年収ランキングならびに、化学業界の現状や課題、今後の動向について解説していきます。

化学業界への理解を深めるために、参考にしていただければ幸いです。

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化学メーカー・業界のランキング【日本・世界】

【化学メーカー・業界】売上高・利益・利益率ランキング【日本】

化学業界のメーカーの売上高、利益、利益率のランキングをまとめています。このデータは2021年から2022年の期間に関するものです。

順位企業名売上高(億円)純利益(億円)利益率(%)
1三菱ケミカルグループ39,76917714.5
2住友化学27,65316215.9
3信越化学工業20,744500124.1
4三井化学16,12610996.8
5旭化成11,982161813.5
6日本ペイントHD9,9826756.8
7日本酸素HD9,5716416.7
8東ソー9,185107911.7
9東レ9,1008429.3
10エア・ウォーター8,8864324.9
11DIC8,553
12日東電工8,53497111.4
13三菱瓦斯化学7,0564826.8
14カネカ6,9152643.8
15UBE6,5522453.7
16昭和電工マテリアルズ6,3501933.0
17クラレ6,2933725.9
18積水化学工業5,5123706.7
19ダイセル4,6793126.7
20関西ペイント4,1912656.3
21日亜化学工業4,03665416.2
22デンカ3,8482606.8
23日本触媒3,6922376.4
24ADEKA3,6302376.5
25日本ゼオン3,6173349.2
26JSR3,40937310.9
27丸善石油化学3,2041063.3
28トクヤマ2,9382809.5
29東洋インキSCHD2,879943.3
30ニフコ2,8372298.1
31住友ベークライト2,6311826.9
32アイカ工業2,1451316.1
33日産化学2,07938718.6
34エフピコ1,9571125.7
35日油1,92626613.8
36日本化薬1,8481719.3
37サカタインクス1,814
38レゾナック・HD1,755
39クレハ1,6831418.4
40三洋化成工業1,625
41高砂香料工業1,624
42東亞合成1,5631378.8
43日本曹達1,5251268.3
44タキロンシーアイ1,419
45東京応化工業1,40017712.6
46チッソ1,3751218.8
47森六ホールディングス1,288
48藤森工業1,278
49大日精化工業1,219
50クミアイ化学工業1,181907.6
引用:業界動向サーチ

化学メーカーの中でも大手企業が多く、売上高1兆円を超える企業は4社あり、5,000億円を超える企業は17社存在しています。

この中でも、三菱ケミカルホールディングス、住友化学、信越化学工業、三井化学の4社が売上高1兆円を突破しています。

直近の決算報告によると、売上ランキングTOP50位にランクインしている企業のうち17社の売上が5,000億円を超えています。

このような大企業がランクインしている化学メーカーの中で、日本の大手化学メーカーの売上ランキングTOP50位をご紹介しました。

【化学メーカー・業界】年収・従業員数・勤続年数ランキング

化学業界のメーカーの平均年収、従業員数、勤続年数のランキングをまとめました。空白の部分は分からなかった部分で、補足いただければと思います。

順位企業名平均年収(万円)従業員数(人)勤続年数(年)
1ウルトラファブリックス・HD1,157
2日本酸素HD986
3三菱ケミカルグループ94918.5
4日本ペイントHD898
5積水化学工業8972761
6住友化学8836488
7三菱瓦斯化学8712461
8東京応化工業859126119.5
9信越化学工業854334120.3
10JCU843
11三井化学8384913
12太陽HD831
13日産化学8141929
14大阪有機化学工業810
15日東電工8056091
16住友ベークライト795153822.9
17日油793173718.8
18高砂香料工業7921035
19ハリマ化成グループ786
20東ソー7863758
21関西ペイント783153120.1
22デクセリアルズ7801342
23上村工業780
24日本高純度化学779
25日本パーカライジング772
26ニイタカ764
27三洋化成工業7621350
28メック761
29DIC759368119.1
30日本触媒7592412
31カネカ7553472
32旭化成7518646
33日本ゼオン7502107
34OATアグリオ748
35JSR7442777
36東洋インキSC HD74418.1
37新田ゼラチン740
38日本農薬740
39エア・ウォーター739
40ダイセル7392553
41ダイトーケミックス73518.2
42トリケミカル研究所735
43東レ7347175
44日本火薬734
45関東電化工業733
46デンカ7324081
47第一工業製薬731
48森六ホールディングス730
49パーカーコーポレーション726
50トクヤマ7222315
引用:業界動向サーチ

【化学メーカー・業界】売上高・利益・利益率ランキング【世界】

世界の化学業界のメーカーの売上高、利益、利益率のランキングをまとめています。このデータは2020年から2021年の期間に関するものです。

2021年2020年会社名化学品売上 ($ MILLIONS)化学品売上割合 %セクター化学品営業利益ᵇ ($ MILLIONS)化学品営業利益率 %本社
11BASF$92,982100.00%総合化学$9,1799.90%Germany
22Sinopec65,84815.9石油化学1,7612.7China
33Dow54,968100総合化学7,88714.3US
45Sabic43,23092.7石油化学8,77920.3Saudi Arabia
54Formosa Plasticsᵉ43,17372.2石油化学n/an/aTaiwan
616Ineos39,937100総合化学5,37013.4UK
76PetroChina39,6939.8石油化学1,8624.7China
811LyondellBasell Industries38,99584.5石油化学8,00920.5US
97LG Chem37,257100総合化学4,38911.8South Korea
1012ExxonMobil36,85813.3石油化学9,96027US
118Mitsubishi Chemical Group30,71984.8総合化学2,5478.3Japan
1213Hengli Petrochemicalᶠ27,96191.1石油化学n/an/aChina
139Linde27,92690.7産業ガス6,70324UK
1410Air Liquide27,14898.3産業ガス2,77910.2France
1514Syngenta Group24,90081.1農薬n/an/aSwitzerland
1620Reliance Industriesᵉ22,58321.1石油化学n/an/aIndia
1727Wanhua Chemical22,561100総合化学4,97822.1China
1829Braskem19,575100石油化学5,03825.7Brazil
1917Sumitomo Chemical19,17676.2総合化学1,5818.2Japan
2021Shin-Etsu Chemicalᶠ18,885100総合化学6,15732.6Japan
2122Covestro18,813100総合化学2,65514.1Germany
2218Toray Industries17,85688総合化学1,2276.9Japan
2319Evonik Industries17,692100特殊化学品1,5418.7Germany
2423Shell16,9936.5石油化学1,3908.2UK
2515DuPont16,653100特殊化学品2,65215.9US
2625Yara16,617100肥料1,0686.4Norway
2734Rongsheng Petrochemical16,00158.3石油化学n/an/aChina
2831Lotte Chemical15,827100総合化学1,3418.5South Korea
2928Mitsui Chemicals14,681100総合化学1,2698.6Japan
3032Indorama Ventures14,626100石油化学1,3159Thailand
3142Chevron Phillips Chemical14,104100石油化学n/an/aUS
3233Umicore13,56747.7特殊化学品5424Belgium
3326Solvay13,527100特殊化学品1,61812Belgium
3424Bayer12,74324.4農薬n/an/aGermany
3540Mosaic12,357100肥料2,77022.4US
3646Nutrien11,59041.8肥料4,82541.6Canada
3736Arkema11,261100特殊化学品1,32011.7France
3837Asahi Kasei10,90848.7特殊化学品1,0049.2Japan
3935DSM10,888100特殊化学品1,24711.5Netherlands
3938Hanwha Solutionsᶠ10,88886.6特殊化学品5415South Korea
4141Eastman Chemical10,476100特殊化学品1,45113.9US
4230Johnson Matthey10,41247.2特殊化学品3873.7UK
4339Air Products10,323100産業ガス2,21521.5US
44EuroChem Group10,202100肥料3,40033.3Switzerland
4544Borealis10,164100石油化学1,66816.4Austria
46PTT Global Chemical9,08462総合化学1,14012.5Thailand
4743Sasol9,01165.9総合化学1,33714.8South Africa
48TongKun Groupᶠ8,996100石油化学n/an/aChina
4945Lanxess8,940100特殊化学品5626.3Germany
50Hengyi Petrochemical8,85844.3総合化学n/an/aChina
引用:https://cen.acs.org/content/dam/cen/global-top-50/2022-table.html

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化学メーカーの現状と課題(2020年化学業界)

国内の化学メーカーの分類

まず、国内の化学産業を確認してみます。
各会社は以下のように分類することができます。
以下の図は、経済産業省より公表されている資料となります。

出典:https://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/sansei/kaseguchikara/pdf/010_s03_02_01.pdf

化学メーカーをさらに詳細に事業ポートフォリオごとに分類すると、以下の図のように分類することもできます。
こちらも、経済産業省より公表されている図となります。

出典:https://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/sansei/kaseguchikara/pdf/010_s03_02_01.pdf

化学業界、化学産業といっても、多種多様かつ複雑な業界構造であることが分かります。
これから解説する現状や動向については、一つ一つの産業を反映していない部分もあると思います。その点ご留意ください。

化学メーカー(化学業界)の現状

化学産業とは

化学産業は、約200年の歴史を有する産業です。
その歴史は、化学合成を利用した肥料の製造、さらに医薬品や産業ガスの製造に始まります。
1900年代に入り、石油化学工業が生まれたことで事業領域が拡大し、近年はユーザーのニーズに応え、多種多様な素材・繊維・材料・・・・が研究・開発・生産されてます。

化学産業は、原料から付加価値をつけて、広範囲にわたる製品を取り扱い、対象とするユーザーも多様なことが特徴です。
以下図は、化学メーカーが手掛ける事業領域を示しています。

出典:https://www.bk.mufg.jp/report/indlook2016/Global_Sector_Strategic_Analysis_Chemical.pdf

この市場構造から、基礎化学では安価な原料や製造効率が求められます。
一方で、機能性化学では、加工度が高くより付加価値を持たせ、ユーザーのニーズにあった製品開発が求められます。

出荷額と従業員数について

国内の化学産業の出荷額は約40兆円と製造業において第2位を占めており、国内の主要な産業の一つとなっています。

従業者数は89万人で製造業中第3位となっています。

出典:グラフでみる日本の化学工業2018
出典:グラフでみる日本の化学工業2018

研究開発費について

化学メーカーの事業を展開していくうえで、研究開発は重要です。化学産業の従業員1万人当たりの研究者数は電気機器に次いで多く、売上高に対する研究開発費率は高いことが知られています。

化学メーカー(化学業界)の課題

主要な化学工業は、売上高の50%を石油化学製品で占めています。しかし、営業利益に占める石油化学製品の割合は小さく、貢献度が低い状況です。
また、海外の化学メーカーは石油化学に対する依存から脱却し、収益性を高めています。

特に、石油化学の面では、アジアの他新興国でプラントの稼働が開始されています。他国に比べて、基礎化学品のコスト競争の部分で課題があるため、今後の環境は厳しいことが予想されています。

以上のように、石油化学に頼った収益の獲得方法だと、今後コスト競争の面で負けていくことが予想されています。
そのため、グローバル展開を強化し現地の原料メーカーと連携することや、石油化学とは別のコア技術に事業展開することが求められています。

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化学メーカーの将来性と動向(2020年化学業界)

化学メーカー(化学業界)の将来性と今後の動向

化学業界の市場規模の見通し

世界の化学製品の市場規模は拡大していくことが想定されています。しかし、これは中国やインドを始めとした高い経済成長が期待されている国によって牽引されるもので、先進国における市場規模の拡大はあまり期待されていません。

将来性と動向

世界規模で拡大しますが、国内メーカーはいずれも厳しい状況下にあると考えられています。

石油化学製品への依存と、東南アジアを始めとした海外メーカーとのコスト競争力の弱み」が大きな理由として挙げられます。

したがって、化学メーカーは基礎化学部門の縮小や最適化を図ることが求められています。

一方で、機能性化学品の面では高い競争力があります。

というのも、機能性化学では、幅広いユーザーのニーズに対応することが必要となります。
したがって、後発メーカーには技術の蓄積がないため、先進国のメーカーが高い競争力があると考えられます。

国内の化学メーカーには、高付加価値な機能性化学品を強化し、海外展開を強化していくことが今後より一層求められてくると考えられます。

まとめ

今後化学メーカーは厳しい状況にありますが、独自の強みを持っている会社が今後生き残っていくのかもしれません。

  1. 新興国(インド・中国など)の経済成長に伴い世界の化学製品の市場規模は拡大
  2. 基礎化学製品の製造は、東南アジアにコスト競争が負けてしまっているため、今後衰退してしまう
  3. 機能性化学品は、独自の技術やノウハウを活かすことができるので、国内メーカーが成長できる可能性がある
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