就職で製薬会社を目指す学生の中には、MR職を志している方もいるのではないでしょうか?
下のグラフでは、青いバーでMR数の総人数を、黄色の折れ線で前年に比べた減少人数を示しています。
MRの推移は過去の5年間で減少傾向にあります。
また、その減少速度は一定ではなく、年々加速している印象を受けます。
本記事では、製薬会社MR職の就職倍率と難易度を各社の新卒採用人数から考察してみました。
参考にしてください。
MR職の就職倍率ランキング
MR職の新卒採用人数
MRの新卒採用人数は例年に引き続き減少傾向にあります。
下の表では、各社の新卒MRの人数を表しています。
<新卒採用人数>
会社名 | 新卒採用人数 | 会社名 | 新卒採用人数 |
第一三共 | 80 | 鳥居薬品 | 14 |
エーザイ | 50 | バイエル薬品 | 12 |
アステラス製薬 | 50 | 武田薬品 | 11 |
大塚製薬 | 46 | 日本血液製剤機構 | 10 |
Meiji Seika ファルマ | 35 | ゼリア新薬 | 10 |
ツムラ | 31 | あすか製薬 | 10 |
塩野義製薬 | 30 | 丸石製薬 | 9 |
ニプロ | 29 | 大鵬薬品 | 9 |
持田製薬 | 29 | 参天製薬 | 9 |
小野薬品 | 28 | ファイザー | 7 |
大日本住友製薬 | 26 | アルフレッサ ファーマ | 7 |
キッセイ薬品 | 23 | ヤクルト本社 | 5 |
MSD | 23 | 日本製薬 | 5 |
日本新薬 | 21 | 大塚製薬工場 | 4 |
日本イーライリリー | 21 | JCRファーマ | 3 |
大正製薬 | 21 | 日本化薬 | 3 |
EAファーマ | 20 | フェリング・ファーマ | 0 |
東和薬品 | 20 | あゆみ製薬 | 0 |
トーアエイヨー | 20 | ギリアド・サイエンシズ | 0 |
扶桑薬品工業 | 19 | 日本ジェネリック | 0 |
協和発酵キリン | 18 | 富士製薬工業 | 0 |
科研製薬 | 18 | 日医工 | 0 |
杏林製薬 | 17 | 共和薬品工業 | 0 |
旭化成ファーマ | 16 | ユーシービージャパン | 0 |
日本臓器製薬 | 16 | バイオジェンジャパン | 0 |
中外製薬 | 15 | 日本ケミファ | 0 |
田辺三菱製薬 | 15 | 三和化学研究所 | 0 |
興和 | 15 | サノフィ | 0 |
就職倍率ランキング
他サイトのように就職倍率を出そうと思いましたが、本記事では出しませんでした。
というのも、MRの採用過程において、どのくらいの人が選考に参加しているか正確な情報が手に入らなかったためです。
そこで、就職難易度について検討してみることにしました。
就職難易度は上がっているのか?
製薬会社のMRの就職難易度は上がっていると言えます。
下の表では、MR採用者数TOP10社の採用数の推移を表しています。
エーザイや大塚製薬、小野薬品などでは18年~19年にかけての新卒採用の減少率が大きいことが分かります。
また、新卒採用人数が多いTOP10社の採用合計人数は、503人⇒469人⇒408人と年々減少しています。
また、製薬会社の就職人気ランキングは、常に上位にあり、採用職種の中でもMR職は文系卒でも受けることができるため、開発職や研究職と比べると受ける人数は多くなることが予想されます。
そのため、総合的に考えると、MRの就職難易度や倍率は年々難しくなっており、MRに就くのが難しくなっていると考えます。
<新卒MR採用人数の推移>
会社名 | 17年 | 18年 | 19年 | 18年~19年 の増減率 (%) |
第一三共 | 80 | 80 | 80 | 0.0 |
エーザイ | 74 | 70 | 50 | -28.6 |
アステラス製薬 | 20 | 42 | 50 | 19.0 |
大塚製薬 | 72 | 92 | 46 | -50.0 |
Meiji Seika ファルマ | 69 | 36 | 35 | -2.8 |
ツムラ | 32 | 32 | 31 | -3.1 |
塩野義製薬 | 45 | 30 | 30 | 0.0 |
ニプロ | 29 | 27 | 29 | 7.4 |
持田製薬 | 28 | 26 | 29 | 11.5 |
小野薬品 | 54 | 34 | 28 | -17.6 |
合計 | 503 | 469 | 408 |
<2019年版>医療用医薬品のMR数ランキングとこれまでの推移
医療用医薬品メーカーのMR数ランキング
MR数は2018年から2019年の1年間で2500人減少しています。
早期退職を行うことで、アステラス製薬では約400人減、サノフィでは372人減と大きくMRの規模を縮小していました。
内資製薬会社のMR数の推移
内資企業では、どの企業もMR数が減少しています。
外資製薬会社のMR数の推移
外資企業でもMR数は減少しています。
新卒採用人数も少ないことから、今後の減少も加速度的に進む事が予測されます。
ジェネリックメーカーのMR総数の推移
国策の成果から、売上高を伸ばしているジェネリックメーカーですが、MRの人数は各社減少傾向にあります。
新薬と異なり、ジェネリックメーカーでは、薬の製剤を工夫があります。例えば、錠剤を小さくしたり、溶けやすくするなどが挙げられます。
ジェネリックメーカーのMRは、錠剤の小ささや溶けやすさの“客観的事実”のみしか伝えることが出来なく、“飲みやすさの改善”などは伝えることが出来ません。
営業がしにくいことから、今後MRの数は減らされていくのではないしょうか。
まとめ
過去5年間のMRの全体数は年々減少している傾向にある。また、新卒MR採用人数や中途採用人数も抑えられています。
そのことから、MRの減少は加速度的に進むことが予測されます。
価値のあるMRが生き残ることが予想される
製薬会社各社では、MRを大量動員して営業を掛ける必要しなくなり、人手に依存しないIT技術など新しい活動モデルを模索しています。
引用:株式会社ミクス