薬学部には有機や薬理、薬物動態、物理、…と多様な研究室があり、選び方が難しいですよね。
多くのサイトでは、理系全般向けの記事で実際、薬学部の研究室選びでどの程度使えるのか不安に思います。
本記事では、薬学部修士課程まで進学し医薬品の研究職として内定を頂いた、私の経験談を基に薬学部の研究室選びについて解説します。
薬学部の研究室の選び方は?
まず、薬学部を卒業後あなたがどのような進路に進みたいのか軽く考えてみましょう。働きたい場所は、製薬会社?行政機関?病院薬剤師?ドラッグストア?さらに、職種は研究職?開発職?MR職?薬剤師?
研究室選びのスタートは、自分が将来したいことを考えるところから始まります。なぜなら、研究室によって研究職に有利・不利な研究室があったり、開発職でも一部就活に強い研究室があるのが現実だからです。
製薬会社の研究職を目指す学生におすすめな研究室は?
製薬会社で募集している研究職の種類
まずは製薬会社で募集している職を見てみましょう。
- 有機系
- 薬理系
- 薬物動態系・安全性系
- CMC系
の大きく4分野で、研究職を採用している企業が多いです。さらに、毎年どのくらい新卒採用があるのかというと、各部署1~2人ほどの採用人数です。会社の規模にもよりますが、研究職を募集しない年もあります。
つまり、研究職の就活は「かなり競争率が高い」&「運要素が強い」と言い換えることが出来ます。だからこそ、いかにして研究職に就く確率を上げるか(チャンスを引き寄せられるか)が大切になると私は思います。
おすすめの薬学部の研究室の選び方
私は以下の3つの軸で研究室選びを行いました。
- 分野
- 先輩
- 先生
それでは、それぞれどのような軸で研究室選びをしていたのか解説します。
専門分野
あまりやりたい研究が明確でないけど研究が好きで、将来研究職に就きたい人には「薬物動態系」「毒性系」「DDS系」の研究室を候補に入れることをおすすめします。
なぜなら、薬学部の強みが活かせるからです。
それでは、研究職を志望する学生はどのような分野の学生がいるかご存じですか?私自身就活するまで気づかなかったのですが、実は薬学部だけではないです。理学部や農学部、工学部、理工学部など様々な学生が研究職を目指しています。
だからこそ、研究職に就く確率を上げるために薬学部の強みを身につけるべきなのかなと私は思います。
薬学部には
- 有機系
- 薬理系
- 薬物動態系
- 毒性系
- DDS系
様々な研究室がありますが、有機系は他の学部でも研究室がありますし、薬理系は大学内に複数の研究室があったりします。つまり、薬物動態・毒性・DDS系のバックグラウンドを持った学生というのは貴重で、そこが強みになるのと私は考えています。基調というのは言い換えると競争相手が少ないと言い換えることが出来ます。
- 自分のやりたい研究分野を犠牲にしてまで、興味がない分野に進むのはやめましょう。というのも、今選択した分野が一生かけて関わっていく可能性が高いからです。
- どこの大学でも、「薬物動態系」「毒性系」「DDS系」がおすすめというわけではありません。大学ごとに強い(=研究力がある)研究室と、そうでない研究室があるためです。
大学の偏差値が高いからすべての研究分野で最先端の研究をやっているかというとそうではありません。もしかしたら、大学入試で候補に入れていなかったような大学でも有名な研究室はたくさんあります!!
つまり、一概におすすめと断言できるわけではないです。また、そのため、どの分野の研究室に入れば、必ず研究職に就けるとかは言えないのが現実です。
そこで2つ目の視点として、「先輩」があります。
先輩
私の経験上、研究室選びの際に先輩を見るのは大切だと考えています。研究室の候補を決めたら、必ず研究室見学をしましょう!!
その時に、研究室の先輩に以下の2点を質問しましょう。
- 先輩の内、どのくらいの人が研究職としてついているのか
- 何年連続で研究職に就職する先輩がいるのか?毎年一人は必ず研究職がいる研究室はかなりおススメです。
➝なぜなら、そのような研究室は、研究できる環境が整っており、自分の能力も磨ける可能性が高いためです。
教授の力(コネ)のある研究室
製薬会社の一部には、現在でも教授のコネというものが残っています…教授の力で、内定が決まることはありませんが…
コネの種類は2種類あります。
- 教授の推薦がなければ、その企業の研究職の選考にすら進めないもの
- 一般の人に比べて、選考の一部をスキップできるもの
個人的には、教授の推薦がなければ選考に進めない企業はどうなんだろうと思います。というのも、同じような村出身で同じような顔ぶれ、背景知識の人を集めても、今後の新薬創出を実現できるのか、疑問に思うからです。
教授の力やコネも大事だけど、教授と自分の価値観と合わない教授の研究室に入ることはやめた方がいいと思います。研究室生活は3年間と長く、しんどいですからね。最終的には、自分の力が大事なのは忘れないようにしましょう!
開発職を目指す人におすすめな研究室
開発職を志望する人は、基本的にどの研究室でも就活の強さは関係ないです。
しかし、一部研究室は業務の内容から、開発職に強いことがあります。私の見聞からすると、それは、『医薬品情報や臨床データを扱っている研究室』です。
また、私個人としては、研究もあまりしない、つまり就活しやすいと言われている研究室はおススメしないです。というのも、以下Twitterにもあるのですが、今現在自分が担当している研究内容すら責任をもって話せないのに、過去の栄光を面接で話しても説得力は薄いと思います。面接官側は、あなたが興味あることは頑張れるけど、興味ない業務はダメなんだろうなと印象を抱くと思います。
まとめ
将来やってみたい研究がないけど、研究を通して医薬品の創出を実現したいという人は、競争相手が少ない、薬学部に特有な研究室に進まれることをお勧めします。しかし、最終的には、自分がどのように研究に臨んでいたのか、どのように普段から考えてきたのか、が就活では評価されます。
自分の能力を高められそうな研究室などを徹底的に、かつ丁寧に探されることをおススメします。